重要ポイントのまとめ
- AI活用力が、AIツールから真の価値を引き出す鍵です。
AIを使いこなせるワークフォースがなければ、AIによる生産性やパフォーマンスの向上を実現することはできません。活用力があれば、自信が高まり、意思決定が改善され、あらゆる役割でより受け入れられるようになります。 - リーダーはAI学習を実際のワークフローに組み込む必要があります。責任ある使用、ツールの操作、クリティカルシンキング、ユースケースの特定といった基礎レベルスキルは、実際のビジネス環境の中でAIを適用していくうえで不可欠です。
- コーナーストーンは、AI活用力の大規模な構築をお手伝いします。
役割ベースの学習パスからシナリオベースのシミュレーションまで、コーナーストーンは従業員の現状に合わせたAI活用力プログラムを提供し、組織がAIを活用して生産性と成長を実現できるよう支援します。
従業員がAIを使いこなせなければ、AIの価値を最大限に引き出すことはできません。
しかし、AIツールを自信を持って使えているという従業員はわずか31%にとどまっています(IDC、2024年)。
ただし、AI活用力とは、ワークフォースをプログラマーや熟練したプロンプトエンジニアに変えることではなく、AIがどこに適合するか、どのように適用するか、人間の判断とどのように連携させていくかを特定する自信とケイパビリティを与えることです。言い換えれば、従業員がAIと共に考え、共に働くための準備を整えることです。
多くの組織は、ここで行き詰まってしまいます。強力なツールに投資してはいるものの、従業員がそれをビジネスに沿った方法で有意義に活用するための準備が整っていません。その結果として、可能性を発揮しきれず、誤用や抵抗が生じます。
AIから生産性と収益性を生み出す際の真の課題は、技術的なものではなく組織的なものです。破壊的な変化をもたらしたこれまでの多くのテクノロジーの場合と同様に(もちろん、これまでの比ではありませんが)、テクノロジーを素早く展開することはできても、そのテクノロジーを使用しなければならない従業員のマインドセット、スキルセット、行動は、それほど早く変えることはできません。
AI活用力とは、実際に何を意味しているのでしょうか?
AI活用力とは、次のような能力です。
- 何がAIで、何がAIではないのかを理解する
- AIが大きなインパクトを持つユースケースを特定する
- 適切なタスクに適したツールを選ぶ
- AIをワークフローに後付けするのではなく、AI中心の設計に移行する
- AI生成の出力に人間の判断を適用する
活用力があれば生産性が向上し、より効果的な意思決定が促進され、採用率が高まり、テクノロジーと実際の業務の整合性が強化されます。
基礎レベルのAIスキル
AI活用力のためには、明確な基礎が必要です。従業員が自分の職務にAIを効果的に適用するためには、AIの仕組みとその限界を理解する必要があります。すべての従業員が構築すべき3つの重要なスキル領域は次のとおりです。
- AIの認識
AI活用力を得るためには、AIとは何か、各種モデルがどのように動作するのか(生成AIと予測モデルの対比など)についてのほか、誤用のリスクについても基本事項を理解しておく必要があります。これには、バイアス、ハルシネーション、コンテキストの欠如といったAIの限界を認識することも含まれます。
- 倫理的かつ責任ある使用
従業員はAIを責任を持って使用できるようにしておかなければなりません。これには、プライバシーおよびデータ使用ガイドラインの理解、人間の監視が必要なタイミングの認識、透明性と説明責任に関する会社概要の方針の適用が含まれます。
- ツールの活用力とプロンプトエンジニアリング
従業員は、コンテンツの生成、データの要約、タスクの自動化など、AIツールを効果的に活用する方法を知っておく必要があります。これには、基本的なプロンプト構造、より良い結果を得るための反復、AIツールが得意とするタスクの種類(およびAIが不得意なタスク)の理解が含まれます。
AIの出力に対する人間の判断
これまでの内容をさらに詳しく説明すると、最も重要なAIスキルの1つは、実は人間のスキル、つまり、批判的な質問の投げかけと人間の判断ということになります。生成AIの説得力は増していますが、必ずしも正確だとは限りません。ここで重要となるのが、人間の判断です。
従業員が学ぶべき内容は次のとおりです。
- AI生成の出力を批判的に評価する
質問: これには意味があるか? これはどのような仮定に基づくものか? 欠けているのは何か?AIの出力をそのまま額面通りに受け取らないよう、従業員を指導します。
- 論理の誤りやギャップを指摘する
AI、ハルシネーションを起こしたり、単純化したり、誤りを自信満々に提示することがあります。そのような問題を検出する能力は、コンテンツ生成の方法を知ることと同じくらいに重要です。
- 自分自身の確証偏見に疑問を投げかける
多くの場合、従業員は、自分がすでに信じていることと一致するAIの応答を受け入れます。真のAI活用力には、自分の期待を裏付ける出力に対して疑問を投げかけ、それを客観的に検証することも含まれます。
- 文脈的判断を適用する
優れたAI出力であっても、ビジネスのコンテキストや顧客、あるいは文化によっては、それにそぐわないものである場合もあります。必要に応じて調整、再構成、またはエスカレーションを行うよう、従業員を指導します。
従業員が基礎レベルの知識と強力なクリティカルシンキングの両方を発揮できれば、AIは生産性の向上だけでなく、品質の向上にもつながるツールになります。
見落とされがちな2つのAIケイパビリティ: ユースケースの特定とバリューエンジニアリング
AIの可能性を実現するための最大の障壁の1つは、AIをどこでどのように適用するかがはっきりしていないという点にあります。したがって、AI活用力には、単なるツールの知識以上のものが求められることになります。そのために必要なのが、次の2つの重要なケイパビリティです。
- AIユースケースの特定 – AIがインパクトを発揮できる領域を把握すること
- AIバリューエンジニアリング – 実際の機能を確保すること
これらのスキルを組み合わせることにより、チームはAIを実際のビジネスの優先事項や測定可能な成果に結び付けることができます。
これらのスキルは、AIを孤立した実験から、実際に効果が持続するインパクトの高い試験的な取り組みへ変えるものです。ユースケースをはっきりさせつつ、測定可能な成果に重点を置くようにすれば、組織はAI投資からより迅速かつ持続的なビジネスインパクトを引き出すことができます。
組織内でAI活用力を構築する方法
AI活用力は、実践経験、共通の言語、継続的な学習を通じて伸ばすことができます。リーダーとしての役割は、組織全体でAIを現実的で関連性があり、繰り返し可能なものにしていくことです。本当の意味で自信をつけるためには、従業員が日々直面する課題やタスクにAIを結び付ける必要があります。
チームがAI活用力を構築する際には、次のような方法で支援することができます。
実践的な役割ベースの学習を提供する
- 基礎レベルの認識から応用的な活用力へと成長していく学習プランを提供する
- 役割、機能、業界に応じてプログラムをカスタマイズする
- 実際のワークフローを反映するシミュレーションと実践演習を含める
- 学習を一度きりではなく、継続的に実施する
AIを活用したチームからの内部的学習を促進する
- すでにAIを使用している社内チームと従業員をつなげる
- 何がうまくいったか、何がうまくいかなかったか、そしてその理由について、組織としての例を共有する
- AIアプリケーションに関する共通語彙を構築する
従業員が自分のワークフローを監査できるよう支援する
- チームに、反復的タスクまたは時間のかかるタスクを5つリストアップしてもらう
- それらを、要約、スケジューリング、コンテンツ生成などの既存のAIケイパビリティとマッチングする
- 単純なモデルを使用する: 問題 → AIアプリケーション → 期待される結果
- チームによるブレインストーミングと実験のためのスペースを確保する
AIユースケースのハッカソンを開催する
- 単なるプロンプトではなく、インパクトの大きいAIの機会を探求するよう、従業員に促す
- ワークフローの自動化、意思決定支援、パーソナライズされた体験に重点を置く
- 構造化されたプロンプトを使用する: 課題は何か? 現在はそれをどのように解決しているか? AIによってそれをどのように改善できるか?
- 明確な成功指標により、優れたアイデアを試験的な取り組みへ移行する
ツール利用を向上させるためのフィードバックループを作成する
- チームに、日常業務におけるAIツールの成功事例と失敗事例を追跡してもらう
- 不満、非効率性、不明瞭な結果に関して文書にまとめることを奨励する
- これらのインサイトをIT、ベンダー、または学習チームと共有し、反復と改善に役立てるようにする
インパクトを測定して共有する
- すでに使用されているAI搭載のソリューションを1つ選択する(チャットボット、スクリーニングツール、学習プラットフォームなど)
- 節約された時間、意思決定の質、従業員フィードバックなどの成果を追跡する
- そこで得られた情報を共有し、ビジネス価値を強化するためのシンプルなダッシュボードを構築する
コーナーストーンがAI活用力の大規模な構築をどのように支援するか
AI活用力を概念からケイパビリティに変えていこうと考えているならば、コーナーストーンがそのスピーディーな実現をお手伝いいたします。
当社のAI活用力&実践力支援プログラムは、従業員が実際にどのように学習し、どのように働くかを考慮して設計されています。個人のスキルアップでも、チーム全体の能力向上でも、コーナーストーンは次のような内容を提供します。
- 基礎から上級までの学習トラック
役割、レベル、業界に応じてカスタマイズされ、認識から応用力へと成長していく構造化された道筋
- シナリオベースのシミュレーションとスキル評価
AIツールを試し、判断力をテストし、実際の職場環境でスキルを適用するための安全な空間を従業員に提供する
- 役割ベースの活用力キット
機能全体にわたって関連するトレーニングを簡単に拡張できるよう事前に構築されたパッケージ
- AIを活用したコンテンツとコーチング
学習プランにパーソナライズされた推奨事項と仮想コーチングを組み込み、すべての従業員がAIについて自信を持てるよう支援する
導入の初期段階でも、全社的な拡大を進めている場合でも、コーナーストーンは、AIを活用してインパクトを与える方法とそのタイミングを理解しているワークフォースの構築をお手伝いいたします。
AIに期待される生産性と収益の向上を実現する組織は、AIを活用できるワークフォースケイパビリティを備えている組織だからです。


